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Insects of Tsushima Isl. >>>> since 2005.2.25
韓国が目と鼻の先,国境の島「対馬」に住む 生き物大好きyohboのメモ的blog…。
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ウラナミジャノメ 長崎県RDB(2001)の昆虫-40
ウラナミジャノメ Ypthima multistriata 長崎県RDBカテゴリー:NT

2004年,対馬に戻った年には,タイワンモンシロと同じようにかなりヤバイ状況だったのですが徐々に回復してきています。 流石に以前とはほど遠いのですが今後に期待が持てます。 どうも,タイワンモンシロチョウが激減したのと同じ時期に同じように数を減らしたチョウがいるようなのです。 
さて,対馬産は大陸の方の亜種にくくられ,本土の亜種とは分けられています。 標準図鑑には,「・・・・対馬に産するものは♂の前翅表の発香鱗条の発達が強く,中国大陸,朝鮮半島産と同じ亜種ganus Fruhstorfer,1911 とされる。・・・・」と書かれています。

Ypthima multistriata ganus Fruhstorfer,1911
  ▲厳原町産 2007.7.7 -Caplio R4-

ウラナミジャノメ
  ▲豊玉町産 2005.6.18 -Coolpix 4500-

対馬にはヒメウラナミジャノメはいないのですが,日本本土,朝鮮半島にごく普通に見られ、個体数も多いといわれています。 お隣の壱岐島にもごく普通に分布しています。なぜ、対馬にだけいないのかとても不思議です。 しかも,対馬においてヒメウラナミジャノメの生息を制限するような要因が見あたりません。

下に分かりやすいように整理してみました。 少々荒っぽいのですが、生息環境によって大まかにとらえるとこのようになります。 対馬のウラナミは明所から林縁まで好むのに対して、本土のウラナミはどちらかといえば林縁部を中心に暗所を好む傾向にあります。 つまり、本土においてヒメウラナミが生息する環境に、対馬ではウラナミが進出していることになります。 対馬のウラナミジャノメはヒメウラナミジャノメの生態的代置種の様相を呈しているのです。
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生息環境の違い

【対馬】

○明所〔裸地〕  ウラナミジャノメ ・・・・競合し、ヒメウラナミジャノメは滅亡?
●暗所〔林縁〕  ヒメジャノメ

【本土】

○明所〔裸地〕  ヒメウラナミジャノメ
●暗所〔林縁〕  ウラナミジャノメ
           ヒメジャノメ
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対馬産ウラナミジャノメの周年経過について

過去の記録(もちろん把握している範囲)を見直してみました。 このうち周年経過に関わることについて言及している報文として,

●浦田,60f  ”…年2回の発生で6-7月,8-9月にわたり出現する。”
●川勝・垂井,58b  ※1955.8.26の観察として ”あきれるほど沢山いる”
●福田など,72  ※1971.9.4 有明山の緑色型の蛹を図示
●藤岡,72  ”対馬では1化が6月,2化は8月中〜9月上旬に出現するが,有明山山頂(558m)などで7月末に新鮮な個体が得られることもあり,このような地では年1化も混じっているものと考えられる。”
●山口・浦田,65  ”6月−7月,8月−9月の2回に多産する。
●小檜山,72  ”出現期6月中旬〜7月上旬と8月下旬〜9月上旬の年2回発生だが,7月頃の年1回も混じるようである。”
●平尾,68  ※9月初めの観察として ”本州において比較的少ないホシチャバネ,ウラナミジャノメが居るわ,居るわ。ジャノメといえばウラナミ・・・という感じ”
●堀田,68  ※1967.8.22の観察として ”ウラナミジャノメも多い。”
●戸高,62b  ※1961.8.9の観察として ”ウラナミジャノメが多かった”
●中谷,74  ※1973.6.17採集の母蝶からの飼育記録
  ”6.8産卵 6.27孵化 7.25前蛹 7.26蛹化 8.5羽化”
●江島,74b  ”8月22日,…交尾個体を…有明山で発見した。”
●浦田,77e  ”出現期は5月上旬から10月までで特に第2化のものはその個体数も多いが…”
●江島・境,78  ”年4回 5中(20)→6,6中(20)→8,8下→9,9下→10下(24)”

採集観察データを月ごとに見てみると,
・5月上旬 ×     ・5月中旬 ○    ・5月下旬
・6月上旬 ○    ・6月中旬 ○    ・6月下旬 ○
・7月上旬 ○    ・7月中旬 ○    ・7月下旬 ○
・8月上旬 ○    ・8月中旬 ○    ・8月下旬 ○
・9月上旬 ○    ・9月中旬 ○    ・9月下旬 ○
・10月上旬 ○    ・10月中旬 ○    ・10月下旬 ○

このように6月から10月にかけて切れ間なく記録があります。 藤岡の指摘のように有明山のように年1化の混じる可能性ですが,有明山の記録をピックアップすると,
5/20(少数目)  6/16(2♂)  7/6(1♀) 7/19(2♂1♀)  7/21(4♂5♀) 
7/29(3exe.)  8/4(1♂)  8/6(1♀)  8/10  8/22(交尾個体) 9/4(蛹)   9/29
などがあり,藤岡の指摘は妥当性に欠けるようです。

対馬の場合,発生の端境期が明確でないので周年経過を特定するのは非常に難しいですね。 実は11月上旬(記憶では3日),今羽化したと思われるような個体を見たこともあります。(未発表)

通常,6月中旬からの発生で産卵から羽化まで2か月として,
・第1化 6月中旬から7月上旬から発生
・第2化 8月中旬〜9月上旬から発生
ということになるのでしょうか? 感覚的には年2回という感じはないのですが…。


| 長崎県RDB(2001)の昆虫 | 06:19 | comments(3) | trackbacks(0) |
こんばんは

詳細なレポート、お疲れさまでした。
発生状況の経過と発生時期など、とても詳しくまとめられていて読み応えがありました。

簡単に行けない場所だけに、読んでも興味津々な話ばかりです。感謝です。
| カトカラおんつぁん | 2010/03/05 7:05 PM |

カトカラおんつぁんさん

対馬のウラナミジャノメはよく分かりません。 昔は4〜5回発生を繰り返しているとばかり思ってましたが,どうもダラダラと発生するようです。

調べ尽くされた感のあるチョウ類ですが,まだまだですね。
| yohbo | 2010/03/05 8:01 PM |

生態図鑑が出た時には、採集よりも今度は生態面でどんどん解明が進んで行くだろうなあって思ったものですが、その割には、どうなんでしょう。

島での情報などもまだまだ不足している状況は変わっていないようにも思いますが,私が不勉強なだけかも知れません。

そういう意味でも、こういう記録や情報の蓄積が読めるのは有り難いです。
| カトカラおんつぁん | 2010/03/05 10:31 PM |










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